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Interview  インタビュー

岐阜大学工学部 社会基盤工学科 地球科学研究室教授

大谷 具幸

Profile

低温地熱資源である地中熱利用を日本で導入するための、地質・地下水情報を用いた適地選定の研究、断層破砕帯に含まれる岩石や鉱物から断層の内部で生じる現象についての研究。

  • 海外では進んでいた地中熱研究。日本でも伸ばしていかなければと感じ、研究を始めました。

    現在岐阜大学で地中熱利用の研究を進めている私が、この分野に興味を持ったのは10年ほど前の国際学会がきっかけでした。
    当時わたしは火山など高温の地熱資源の研究をしていたのですが、海外ではもっと低温の地中熱の研究が広く行われていました。特に、私も視察に出向いたことのあるスウェーデンなど寒い地域では、地中熱利用の普及がかなりの速度で進みつつあります。当時日本ではその分野での研究は極めて少なく、新しい自然エネルギーとして地中熱をもっと活用していかなければと感じ、今の研究を始めました。
    地中熱研究にもさまざまな切り口があり、私は主に「地下の状況に応じてどれくらいの量の熱が利用できるのか」という研究を進めています。いろんな場所で温度を測定したり、その場所の地質・地下水の情報を集めて熱量を予測したりというのが主な研究内容です。

    日本でまだ「地中熱」という言葉が聞きなれなかった10年前に比べて、地中熱が注目を浴びつつある背景には、やはり東日本大震災があります。原発事故をうけて、多くの人が自然エネルギー利用したいと思うようになったことが大きく影響していますね。

  • 昔から地下水利用が盛んな岐阜は、地中熱に最適な地域。

    現在は岐阜大学に研究室を構えていますが、近年の調査から岐阜という地域が地中熱利用を行う上でとても適した地域であるということがわかってきました。
    その理由としてはまず、「地下水の流れの速さ」が挙げられます。ヒートポンプを使った地中熱の方式の1つ『クローズドループ方式』は、埋没した配管の中を液体が循環することにより周囲の地層や岩石との間で熱交換をします。濃尾平野の地下水は流れが非常に早く、このクローズドループを使うのにとても適しています。
    次に、「地下水の使える量の多さ」。長良川の水が地下に流れこんでいくため、地下水が豊富であり、岐阜では各地で今でも地下水を生活用水として使用しています。これでもう一つの地中熱の方式である、地下水を汲み上げて地上で熱交換する『オープンループ』も使うことができます。地下水が豊富なぶん、他の地域よりもコストを抑えて導入できるというのも、地中熱利用に適していると言えますね。
    現在工事が進んでいる岐阜市「みんなの森 ぎふメディアコスモス」では、空調熱源として地下水が利用される予定です。これをきっかけに「水の町」である岐阜で、地中熱利用が広がればと期待しています。
  • 地中熱と賢く付き合い、人と地球のいい関係づくりを。

    これからの人と地球の上手な付き合い方を考えると、家庭で使うエネルギーをトータルでプラスマイナスゼロにすることが、目指すべき方向のひとつだと思います。地中熱利用でなるべくエネルギーを使わないようにするのも大きな省エネになりますし、太陽光やバイオマスなどの自然エネルギーで電気を作ることもECOにつながります。ですが、「窓を大きく開けて上手に太陽光を取り込む」「熱が逃げにくい構造の家づくり」など、自然エネルギーを無駄にしない工夫も行うことが大切です。

    他の自然エネルギーにも当てはまることですが、地中熱利用を行うことでほんの少しだけ自然の持っているエネルギーを利用します。私は現在、地中熱利用がこれからもっと増えていくときに、自然に負荷をかけすぎないで上手に地中熱を利用するための研究をしています。
    自然を大きく変えないで賢く上手に利用していくことが、自然エネルギーと人間との関係のあるべき形であると考えています。
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